争いのない平和な人間界は、
一人ひとりの心の中の状態で実現する。
競うことも、克己にしていくことだ。
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争いのない世界は、誰もが望んでいることでしょう。
それでも争いがなくなっていくどころか、
潜在的なものや、小さなもの、個人的な争いは、
増える一方になっているのは、どうしてでしょう?
こういう傾向が見られる時は、
まず、やっていることが自然界のルールに、
沿っているかどうかを考えてみることでしょう。
人間界全体の、争いをなくそうとする動きは、
まず、間違っているでしょう。
これは、人間の身体の健康、病に対する考え方を見ても、
明らかなことですね。
病を薬で抑え込んだり、叩いたりして、
排除しようとする考え方が主になっていますが、
これでは、根本的な解決になりません。
一時的に抑え込めたり、排除できても、
また、同じことが起こったり、
抑え込もう、排除しようとしたことが、
他の症状を呼ぶきっかけになってしまいます。
そして、またそれを抑え込もう、排除しようと、
さらに強い薬などを使って、
それでも抑えられなくなってしまう。
こんないたちごっこは、
作物を育てる現場の農薬にも見られる傾向です。
雑草を排除しようとして、
農薬は日々劇薬化されていますが、
自然は、どんどん耐性を高めたり、
別の子が育ったりしますね。
まさに、このような不毛な闘いが、
争いをなくそうとしている現場でも、
行なわれているのでしょう。
そして、人間界の一部で起こっていることは、
一人ひとりの考え、心の反映ですから、
多くの人が、同じように考え、思っているのだということですね。
ここを越えていかなければ、
人間界の進化は訪れないでしょう。
世の中から争いをなくすために、
一人ひとりができることはたくさんあります。
いちばん大切なことで、
たぶん、いちばんたいへんなことが、
自分の周りから争いをなくしていくことでしょう。
大きな戦争も、元を正せば、
一人ひとりの争う心です。
やられたらやりかえすでは、
永遠に争いが終わることはないでしょう。
スポーツなども、やるのも観るのも、
相手に勝つと言うよりは、
自分自身に克つことに活用されるべきでしょう。
人間にも、自然界で生きる全ての生き物にも、
感情という素晴らしい能力がありますが、
この感情に振り回されていては、
争いはなくなっていかないでしょうし、
人間の進化のための大きなポイントでしょう。
感情をコントロールしようとするのではなく、
感情のエネルギーを変換していくことです。
愛を込めた言動でも、
受け取る方の受け取り方で、
愛として受け取られない言動があるのですから、
明らかに、愛ではない言動は発しないことです。
あなたの中で、
愛以外の感情などのエネルギーの放出を、
ひとつ抑えられ、愛のエネルギーに変換できるたびに、
争いのない世の中に近づいていきます。
どうぞ、争いのない人間界のために向き合うのは、
あなた自身の心だと認識して、
素敵な一日を笑顔でお愉しみください。
あなたが関わる人や自然との中から、
ひとつでも、争いの種子を、
あなた自身がなくすことができれば、
あなたは、大きな平和貢献をしたことになります。
今日もきっと素晴らしい一日になりますね。
(浜本哲治)